もうそろそろ飽きてきたのであまりこの件に関しては 書きたくないが、「テレビとインターネットの融合」について考えてみます。 TOB報道に関しては、知見を持たれている方がたも皆同じようなこと を話されており、もうたぶん皆さん飽きてきたことでしょう。 先週末頃、新聞報道がなされていたインデックス社とフジテレビ社が双方向型番組企画会社を設立するということが明らかになりました。 3月中に登記を終えるそうだ。フジテレビによれば「以前から決めていた」ということですが、登記をするだけならこの話しが出てきた後に決めたとしても充分間に合ったのも事実です。 たしかにちょっと考えただけでもITと地上波の融合企画は腐るほど出てきます。 恐らく、ここで考えるべきはテレビとネットを分離したものではあまり意味が無いと思います。 堀江氏言うところの、収録番組ではカットされてしまう場所も多く、それをネットにてカットせずに全て見せるという考えはあるでしょう。つまり、ほぼPCに集約されている現在のネット環境では、テレビとPCのハードは別別に存在していることが多いため、PCに向かう必要が出てくるということです。生番組などでダイレクトに意見を反映させるようなものの場合は、テレビモニターを見たりPCを見たりするという非常に疲れる作業を消費者がしなければならなくなり、美しい融合 とは言えないのです。 今後PCとかテレビとかいう区分けが撤廃され、テレビ=インターネットという時代が完全に来た後にようやくITとテレビの融合がなされることでしょう。 テレビメディアの公共性に関して言えば、コメントがダイレクトに反映させられるBBSと番組の融合はほぼ不可能だと思われます。 これは子供も見ているというR指定が出来ないということや、テレビはスポンサーの広告で成り立っているということからも、スポンサー企業の中傷コメントが出る可能性が非常に高く、そんなことをしたらテレビがそれこそ死滅してしまいます。 管理者を置いたとことで、その大量なコメントを瞬時に選別するのは人的作業では不可能でしょう。だからこれはダメ。 堀江氏が話しをしている、物販という方向はあると思います。 例えば、フジテレビの場合、番組の2次利用グッズやマスコットキャラクター販売を現在もしておりますが、それを番組宣伝スポットCMとネット通販を融合させるということは可能だし、今以上に売れるのは間違い無いと思います。 ただ、ここもスポンサーがいるわけですからその配慮をどうしていくかが問題。 ちょっと前の投稿で、「プロダクトプレイスメント」という広告手法について書きました。 これはネットと親和性が極めて高いと思われます。 番組の提供スポンサーの商品を意図的に内容と絡ませることにより、話題喚起や消費の喚起をさせようと言うものです。 例えばドラマで、主人公が携帯電話の新機種を使っている際に、ポップアップウインドウが顕れ、「発売前のこの携帯を独占先行販売!」みたいなメッセージとともにリンクURLが登場し、そのサイトへ行くとワンストップで購買できるような仕組みは簡単でしょう。 「広告と売り」の関係が今以上に向上するはずです。 現在既に視聴者参加型のテレゴング形式の番組はいくつも存在してますが、基本は単なる調査と投票という程度のもので使い方によってはネットも新たな方向としてたぶんあるんでしょうね。 既に現在、ネットとテレビの融合番組は地上波でもいくつかあります。 それこそライブドアがテレ朝で提供する代わりに企画ものを実施させている指名手配という番組。これは何か、タレントを1週間とか見かけたらそのタレコミ情報を番組ホームページだかブログだかにコメントしてもらい、テレビの方でその様を写すみたいなものです。 これも既に言及した、PCとテレビを分けて使っているという点で完全融合ではありません。視聴率は世帯ベースで4%程度。同時間帯のテレ朝別曜日深夜番組の中でもごくごく普通の数字。 まだまだこの程度は『融合』というよりも『連動』という感じで魅力度はどうなんでしょ。 企画時点では僕がこのスタッフであれば「イケル!」と思ったはずです。 現実にはレーティングがその魅力度を物語っております。 個人的に、ネットのポータルのアクセスを強引に増やす手法はあるかなと考えています。 例えば、ドラマ。 ドラマというのは一般的に1クールという期間で完結するように制作されています。 たいてい「11話」で終了。1クールとってもその頭とお尻は特番編成されるため、約13週あるうちの11週でドラマを完結させる仕組みになっています。 渡る世間とか、水戸黄門みたいなのはド定番なので何年も続いておりますが。 そのドラマを、例えば1話目をテレビ、2話目をポータル内のレイヤーページにおいて置く。すると人気ドラマならば異常なアクセスをもたらします。 全国ネットの番組では、1%で120万人程度が視聴しているわけですから、30%とか取ってしまえば3000万人以上が見ていることになります。1世帯当たり、平均3人見ていると仮定すれば、アクセスはその1/3で1000万PV。しかもそれはPV=UU(ユニークユーザー)でもあるわけです。すごいことです。サーバー増設の必要があるかもしれません。もちろん全てがブロードバンド環境にあり、動画ソフトをインストールしていることが前提になるわけですが。 ポータル側からすれば、PVが増えれば広告単価、つまり広告料金を上げられるわけですからこれは非常に魅力的です。PC上でこれが繰り広げられるのであれば、広告との瞬時の連動も様々できることでしょう。 また、ドラマ撮影時にテレビ用とPC用に2つのドラマを作ってしまえばさらに別のエンターテイメントが生まれます。既にテレビだけの世界ですが一部実施されておりますが。目線を変えた内容にするわけです。テレビでの映像は全てAという役者の目線で進行し、ネットでは全てBの目線で進行するという内容です。面白いか面白くないかわかりませんが、融合だからこそ実施しやすい企画ではあります。 考えればまだまだ無限にいろいろ出てきそうですが、今までの事例が極めて少ないため、やりながら軌道修正していくしかないんだろうな。軌道修正するのが容易なことがネットの特徴でもあったりします。 ただ、ほんと面白いかどうかは個人的には全く想像できないんですよ。 もし融合したら、得するのは視聴者であり、広告主であり(広告費が上がらなければ)、ポータル側であると思います。テレビ局側のメリットは感覚的にピンと来ないです。 ラジオとネットなんていったらもっとわかりません。 6年~7年ほど前に「見えるラジオ」なんてのが出ましたが、あれもなんだかよくわからないまま終了という感じなので、これがネットとなってもあまり想像できません。 面白くしてください。我々の貴重な余暇を。 今日は茅場町の鳥徳で鳥鍋を食しました。旨い!
by osaki_kotaro
| 2005-03-09 16:00
| マーケティングサイエンス
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