2004年 04月 07日 ( 2 )

「冗談はよせ!」

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仕事をしていると、クライアントへ提案するために新たな企画をたてる必要があります。

個人として企画することもありますが、コンペティション(競合プレゼン)
などの場合には時間的な問題と多くの人の意見を折り混ぜブレストし
ながら企画するほうが結果的にブラッシュアップされ企画が止揚されるものです。
ジェームズ・W・ヤングの名著「アイデアの作り方」では、「アイデアとは、
過去に蓄積された知識の掛け合わせでしかない」と書かれています。
つまり、未知のものはほとんどなく、新たなアイデアは過去の知識と知識の
掛け算や引き算、場合によっては割り算でしか無いということです。
これには僕もAgreeなので、自分に無い他者の知識やアイデアを自分が
持っているものとミクスチャーすることが必要だと思うのです。

そいった事情から、クライアントとの打ち合わせ好きで社内の打ち合わせが
嫌いな僕もそうった企画会議に参加することがあります。
まあ、クライアントの事情に最も精通するのが営業という職掌のため、アイデア
を求められるというよりクライアントから日常聞いている商品やサービスの
マーケット情報を求められるために参加させられることが多いわけですが。
だからこそ、打ち合わせが嫌いなのです。
でも、僕は自己主張しちゃう人間なので良いと思ったアイデアはどんどん
話しをするのです。

特にコンペなどのための企画では、大抵の場合、数社の広告会社が呼ばれ、
決定するのは1社のみになりますので(場合によっては2社、3社などが選ばれ
ることもありますが)インパクトあるものにしたいわけです。誰でも予想可能かつ、
ありきたりの企画を提案したのでは、それが実際は消費者に「効く」ものであっても、
クライアントの担当者には「効かなければ」企画はお蔵入りして世に出ないのですら。

あるマーケッターが、「今回の商品のマーケットは××です。商品のポジショニング
は、このポジショニングマップで言うと、A社の商品よりも若年層もカバーできるもので、あ~だ、こ~だ」なんてのをもっともらしく話し始めるとかなりイラつくわけです。
たった数日でそこまで語れるんかい、ほんまに?と。。。あんた先生かいな、と。

そんな本気だかインチキだかわからない論、が打ち合わせの前段を締め、打ち合
わせは具体的なストラテジー(戦略)→スタティクス(戦術)に移っていくのです。
「インパクト」は主に戦術論で出していきます。戦略の部分はとっぴおしも無いネタ
なんてどんな優秀な人でもなかなか出せません。コミュニケーションゴールを設定し、いかにそれに近づけていくかをクライアントを唸らせるレベルで出さなければ光りません。突飛なアイデアを敢えてはじくクライアントもいるにはいるのですが。お堅い会社
に多いのです。

打ち合わせにおいて、皆が「CMはやっぱ、このゾーンで流すべきだ・・・、局はここが
ベストだ・・・、この新聞で発売日にどか~んと・・・、タレントは●●で・・・、宣伝カー走らせて・・・」などなどといろいろ話しは出るわけですが、どうもなかなか企画の色が出ないのです。優等生的にまとまってしまうのです。インパクトが薄いのです。あなたた
ちは本当に勝てると思ってるのか?と、心の中で呟いてしまいます。
そこで、僕が真剣に提案するわけです。これ実際あった話し。4年ほど前になるので
しょうか・・・。

僕 「今、日テレ営業中っていう番宣(番組宣伝)スポット流れてるじゃないですか~。。。あの番組の出演者が出て『日テレ営業中、●●(番組名)も営業中』って言うやつですよ~。今回の提案っていかにその店舗へ人を呼ぶかってことがキーポイントですよね~。こういうのどうですかねえ。日テレ営業中のCMの直後に、契約タレントが一言『●●(お店名)も営業中!』っていうんです。つまり、見え方としては日テレ営業中の番宣スポットではなくて、そのスポンサーが番宣のスポンサーになってる感じで消費者は捉えると思うんですよ~。これ画期的ですよ!でもって、日テレと組んでテレビだけじゃなくて色々仕掛け作るんです。例えば・・・・・・・」

上司 「冗談はよせ!真剣に話しをしろ。そんなの日テレがOK出すわけね~だろうが~」

僕 「・・・」

この時、思いました。若い人の発想を年齢・年次ということで摘んではいけないのだと。今考えても結構画期的なアイデアだったな~と思うのですが。
たしかに、メディアというのは公共性を保つべきであり、1スポンサーを贔屓することは出来ないのですが、このスポンサーから始まり他のスポンサーも実施できる企画になれば十二分に話題あるキャンペーンになったのではないかと思うのです。

新入社員の頃に関しては、「広告会社=提案集団」という図式で考えていた僕は
とっぴおしない企画に命を掛けていたのです。
広告は既存メディアの決められた位置にしか掲示できないという考えしかなかった
僕が、メディアを作ることができると知った瞬間、なんだ簡単ジャン!と良い意味で
の誤解をしたのです。

幼稚だと思われても仕方ないが、新人として入ってきた時、一番初めに考えた企画は、東京タワーのてっぺんに旗状の広告を掲げることだった。
もしできれば「なんだあれは!」と新聞やニュースネタになると思ったのです。

できるわけね~じゃんという突っ込みを受けるのが怖かったので、管理事務所
へ出向いて事前に交渉してみました。結果、徒労に終わったが交渉してみない
とわからないという強引さが僕の中に生まれのは言うまでもありません。
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by osaki_kotaro | 2004-04-07 21:31 | ビジネス

エロガッパという詐欺師

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テレビで詐欺師のネタをON AIRしていた。
皆さん、詐欺にあったことありますか?

宗教にも詐欺にも、ネットワークの物売りにもひっかかからないという
自負のあった僕だが、昨年詐欺師にひっかかったことがある。

その男は、31歳。身長が160cmくらいで薄らハゲている。
ややぽっちゃり。顔立ちも冴えない。

上野純君に紹介されたその男は、資格持ちで「弁護士」という肩書きで
あった。
東大を出たのではなく、青学を出てから米国に渡りハーバードLAW
SCHOOLでカンニングして資格をとったとおっしゃっていた。
この謙遜している部分とハーバードという部分、さらに国内で青学卒
という不思議なコラボレーションは、「すげ~」と思わされるだけで
疑問など持つ由も無かったのである。
しかも、ただの弁護士ではなく国際弁護士であるという彼の噂は瞬く
間に東京中のネットワーカー(顔が広い人たち)に広まった。

彼は弁護士事務所に所属していたのではなく、世界的に有名なメディア
企業の本社の人間で、「本国採用」ということを強調し日本のブランチの
重責を担っているとのことだった。本国採用という点を強調する点も、
その手の人間にありがちな嫌味であり、よりリアル感を持っていた。
今となっては、実名かどうかは定かではないが、珍しい名字の持ち主
の彼がはとある一部上場企業の御曹司であるという。
社名は教えてくれなかったが、ネットで検索したら1件だけ上場企業
の社長に彼と同じ名字の人間がヒットした。
それで皆、「ボンボンで嫌味だけど、スゴイのは認めよう。頑張ったんだね。」
と彼を認めざるを得なかったのである。
慶応幼稚舎出身で、トラブルがあって中学から暁星に行ったと言った
彼の話もトータルで考えると極めて辻褄があっていたのである。
冗談で誰かが年収を問うたら「俺なんか全然たいしたことないよ~。
本当は言っちゃいけないんだけど、5000万くらいだよ。たいしたことないよ。
でも、何を食っても全部経費で落ちるからね~。」
と不自然さのかけらも無くさらっと話すのである。
あっ、ちなみにタイトルのエロガッパとはエロい彼を表して電通の某君が
コピーライトしたあだ名です。

そんな彼が、一人暮らしをするマンションでホームパーティーをするという
ので、暮らし振りチェックメインで何名かで参加したのである。

場所は、麻布台のアメリカンクラブのすぐ側で、ドデカイマンションだった。

入ると焦る。兎に角広い。会社が半分費用負担をしているらしいが彼の
負担分をあわせると月200万ほどかかるらしい。それも納得である。
部屋が7~8個あってそれぞれめちゃくちゃ広い。家具などの調度品は
備え付けでシンプルだが、掃除は毎日マンションの管理サイドが行うという。
人生で初めて「あんぐりした」。皆、唖然。呆然。
外資証券の奴らなども相当良い暮らしをしているが、その比ではない。
ちなみに、六本木ヒルズなんてここと比べるとエロガッパもとい、屁のかっぱ
ですよ。

そこへ行った友人数人で、そのマンションの一室で「かんぱ~い!」ならぬ
「完敗~!」を宣言した。

そんな彼であったが、白金台のSPA白金前のマンションも保有していてそこ
でのホムパ(ホームパーティ)にもお誘いを受けたが、これ以上ショックを
受けると失神しそうなので目の前まで行ったのに入り口まで足が動かなかった。

ちょっと距離をおき始めた、時期にまた彼の噂が東京中を駆け巡ることに
なる。「あいつ、弁護士って嘘らしいよ」と。
嘘だろ~と思い、弁護士登録者が全て検索できる日弁連のポータルサイト
で検索すると、東京でも米国の各州でも彼の名前が出ることはなかった。
さらに、TBSの某プロデューサーの知人に彼が金を100万借りていたのだが、
その噂を知り、彼の後を追ったTBS某氏は結果、三軒茶屋のぼろアパートに
住んでいることをつかみ、締め上げ全て嘘であることを吐かせたのである。
「二度と俺たちの前に顔を見せるな!」ということで、それ以降彼は東京の
地で見かけられていない。警察沙汰にはしなかったのに。

僕は直接的な被害にあっていないのだが、本物の詐欺師を見て心理学の
大切さを学ぶことになった。
きっと今ごろ、彼はどこかの地でまた別の方法で詐欺を続けていることだ
ろう。あれだけの詐欺的才能があれば何したって食っていけると思うのに。

今考えると、あのマンションは一体なんだったのだろうか?
「情報」を確実なものとするために、身銭を切って「三味線をひいた」のか?
調度品がないだけに、誰かの部屋を借りたとも思えない。
詐欺師という商売も楽ではないのですね。
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by osaki_kotaro | 2004-04-07 13:49 | 人物